うつ病
10~15人に1人は一生のうち一度はうつ病を経験していると言われるほど頻度の高い疾患です。つらい出来事があったとき、誰でも「憂うつ」な気分を感じたり、眠れなくなったり、食欲がなくなったりすることがありますが、うつ病では、これらの症状が、出来事とは不釣合いに強く、持続してしまいます。
うつ病チェック
2週間以上、毎日のように・・・
- ほとんど1日中ずっと気分が沈んでいる。
- 何に対しても興味がわかず、楽しめない。
- 食欲がない。体重が減ってきた。
- 寝付けない、夜中や早朝に目が覚める。
- 動作や話し方が遅い、またはいらいらしたり、落ち着きがない。
- すぐに疲れるようになったり、気力がわかない。
- 自分に価値が無い、または申し訳ないと感じる。
- 仕事や家事に集中したり、決断することができない。
- この世から消えてしまいたいと思うことがある。
これらの症状のうち、1または2を含み5つ以上あてはまる場合は
うつ状態である可能性が高いと考えられます。
治療方法
うつ病の急性期は、とにかく十分な休養と薬物療法が、治療の2本柱になります。
患者さんには、一般的に次のようなことを説明します。
- うつ病は治る病気で、適切な治療(休養や薬)が必要であること。
- 回復するまでには一進一退があり、一喜一憂しないこと。
- うつ症状の強い間は、重大な決断をせず、先延ばしにすること。
回復期では、再発予防が大切になってきます。焦って職場復帰したり、早めに薬をやめてしまったりすると、ぶり返す心配があります。服薬や社会復帰について、治療者とよく相談して決めるようにしましょう。
克服のポイント
うつ病は、休養が必要な病気であることを認識し、充電期間だと思って休養に専念し回復を待つという姿勢を、患者さんと周囲の人が共通して持つようにすることが大切です。
症状が強い時は、周囲の人が「気の持ちようだ」「頑張れ」などと言って励ますと逆効果になることがあります。「頑張らなければいけない」という気持ちが人一倍強いのは患者さん自身ですが、それができないところがうつ病の辛さなのです。周囲の人も、もともと本人の持っていた能力が、今は病気のために発揮できないのだということを時々思い起こす必要があります。
回復期には、少しずつ気力も出てきますが、完璧を目指さず、疲れたら無理をしないようにし、その日その日の体調に合わせてできるだけのことをできればよしとしましょう。