認知症
認知症とは、一つの病名ではなく原因が異なる様々な病気の総称です。
代表的な病気は、アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体病、前頭側頭葉型認知症(ピック病)の4疾患であり、出現頻度もこの順番です。
認知症チェック
- 直前のことが思い出せない。
- 置き忘れやしまい忘れが増えて探し物に明け暮れる。
- 感情の起伏が激しくなり昼夜が逆転する。
- 日によって状態は変動し、しばしば幻が見える。
- 万引きなど従来しなかったことをするようになった。
症状
アルツハイマーのもっとも代表的な症状は記憶障害です。置き忘れやしまい忘れが増えたり、大事な約束を忘れたりするようになります。
血管性認知症では、感情のコントロールがうまくいかなくなったり、昼と夜のリズムが乱れたりします。レビー小体病は、幻視やパーキンソン症状を伴いやすいのが特徴です。前頭側頭葉型認知症(ピック病)は人格面における変化に特徴があり、万引きなどの行動面での変化が重要です。
治療方法
薬物療法、リハビリテーション、援助という三つの方法があります。認知症の症状は基本症状と周辺症状に分けて整理されます。基本症状とは疾患固有の症状であり回復は困難ですが、基本症状や環境に対する心理的な反応として起こる周辺症状は必ず改善します。
克服のポイント
原因となる疾患によって予後や治療方法が異なるので、正確な診断が出発点になりますが、その上で以下のことが重要です。
- 認知症についてよく知る(知識や情報は大きな力になる)
- 治療と同時に適切なケアマネージメントを開始する(十分な援助の提供)
- 認知症当事者と同様に家族支援も重要(家族のサポート)
- 孤立せず引きこもらない(リズムのある生活を送る)
介護保険をうまく利用することは、本人だけではなく家族にも余裕をもたらします。「認知症の人と家族の会」、成年後見制度や経済的な優遇措置なども助けになります。
とりわけ若年性認知症の場合は、経済的にも精神的も一家を支える現役世代での発病であることから、深刻な問題を多く抱えます。できる限り早い段階で支援を開始できるかどうかが鍵を握ります。