洛南病院勤務時のカリキュラム等
当院で研修できる内容
精神科救急医療
当院では緊急的な精神科入院治療が必要な患者を全て断らずに受け入れ、短期間で病状の改善を図り、再発予防のための退院支援を行うという一連の流れを重視した精神科救急医療を、多職種からなるチーム医療で提供しています。さらに精神科救急に携わるスタッフが疲弊しないような勤務体制を整えています。
薬物依存症治療
覚せい剤や危険ドラッグなどの薬物依存症の治療には高い治療スキルと組織力を必要とします。卓越した専門的治療を直に学ぶことができます。
認知症医療
認知症患者を丁寧に診察し、心理検査結果を正しく解釈することで、高度な画像診断のみに頼らない認知症診断の技術を学ぶことができます。さらに病院内での認知症治療にとどまらず、認知症の方々を地域全体で支えるネットワーク作りを直に学ぶことができます。
児童・思春期精神医療
自閉症スペクトラム障害・ADHDなどの児童・思春期症例の治療について、外来診療を中心に学ぶことができます。
先進的な精神医療
光トポグラフィー検査によるうつ病の補助診断、うつ病に対する反復性経頭蓋磁気刺激法(rTMS)を経験できます。
支持的精神療法・認知行動療法
従来、精神療法の研修は、卓越した精神療法家の書物・DVDで学んだり、もしくは上級医の診察に陪席して精神療法のスキルを模倣していく手法が一般的でした。しかしながら、このようなやり方は十分とは言えません。当院では後期臨床研修医の実際の診察に、認知行動療法を専門とする指導医が陪席して、直接スーパービジョンを行います。研修1年目は支持的精神療法を身につけていただき、研修2年目では少なくとも3症例のうつ病の認知行動療法を実施していただきます。精神療法を正しく実施できる精神科医を育成することが、当院における後期臨床研修の目標の一つです。
司法精神医学
精神鑑定書の作成は、精神科医として一人立ちするための卒業試験と位置づけられます。当院では研修3年目に実習形式で少なくとも3例の簡易鑑定を経験し、鑑定書を作成していただきます。さらに指導医が実施する本鑑定の助手・裁判での鑑定人尋問の傍聴の経験をすることができます。
災害時精神医療
万が一、大災害が発生して、京都府から精神医療チーム(DPAT)の派遣が要請された場合、当院が中心的な役割を担います。後期臨床研修医にもDPATに参加していただく場合があります。
カリキュラム
洛南病院勤務時のカリキュラムは以下のとおりです。
当該カリキュラムは目安であり、希望に応じ、多少の変更は認めます。
研修内容 |
|
---|---|
研修目的 (獲得する治療技術等) |
|
研修の場 |
|
ご質問にお答えします
精神保健指定医の症例は本当に集まるのでしょうか?
精神保健指定医の資格を取得するためには、①措置入院、②③統合失調症圏2例、④躁うつ病圏、⑤中毒性精神障害、⑥児童・思春期精神障害、⑦症状性または器質性精神障害、⑧老年期認知症の8症例のケースレポートの提出が必要です。この中では、⑥児童・思春期精神障害のケースが当院では年間約10例、⑦症状性または器質性精神障害のケースが年間約3例と、担当する機会が比較的少ないと言えますが、当院で約1年研修すれば、全ての指定医症例が集まることが殆どです。
学会への参加は可能でしょうか?
年間1~2回、事前に申請をした上で、学会参加が可能です。出張扱いとなります。研究雑費が支給されますので、その中から学会参加費・年会費の支出が可能です。研修医は年に1回、地方会もしくは各精神科領域の学会で演題発表をしていただきます。
どれくらい忙しいですか?
精神科救急に従事していただくため、急な対応を日々求められることになります。当院での勤務はかなり忙しいです。その分、仕事のオン・オフははっきりしています。基本は週休2日で、当直明けの勤務は昼までとなります。夏季休暇も5日間取得できます。